2015年8月4日火曜日

ウコンの主成分「クルクミン」が心不全の初期症状を改善する

肝機能を高めることで知られているウコンの主成分「クルクミン」は心不全の原因となる高血圧性心肥大の心臓機能を改善することが、実施された臨床試験で確認された。

研究成果は、2011年11月に米国フロリダで行われた米心臓協会年次学術集会と、同月に札幌市で開催された国際機能性食品学会で発表され、世界的に注目を集めた。

研究グループは、2008年にマウスにクルクミンを摂取させ、心不全の進行を抑制することを突き止めており、今回、人間を対象とした臨床試験でも「高吸収クルクミン」が心臓機能を改善することを実証した。

人間を対象とした臨床試験では、高吸収クルクミンを1日2回30mmずつ高血圧性心肥大患者30人に24時間週間摂取させたところ、患者の左室拡張障害が改善。

プラセボ(偽薬)を同期間摂取した患者には改善は見られなかった。左室拡張障害は、一般に加齢や高血圧に伴って血液を送り出す心臓の左心室の筋肉が硬くなる現象。収縮しても膨らまなくなり、帰ってくる血液の処理が困難になる。

心筋こうそく梗塞や心不全になりやすくなるほか、心臓機能の低下が肺に負担をかけて肺に水がたまる鬱血性心不全にも関与する症状。

「左室拡張障害は心不全の初期の症状で、吸収効率を高めたクルクミンの摂取で有意に改善が見られたことは、将来的に新しい治療法につながる可能性がある」 と話す。

「ウコンの作用」には、ウコンのさまざまな作用、そして効能、効果が紹介されています。